それは突然決まった話だった・・・。
板倉と鎌倉は、あるビジネスの交流会で知り合った。
お互い整体院や英会話教室を経営しつつ、コンサルタントとしても活動しており、会えばビジネスの話ばかり。
そんなフィットネス業界なんてまったく関係ない2人が、なぜスタジオをオープンさせることになったのか?
知り合って2年ほど経った頃、活用しないといけない土地が出てきた。
当初は、土地の売却やアパート経営など一般的な活用方法を模索したが、どれもいまひとつピンとこない・・・。
そこで出た案が、お互いの持っているビジネスのノウハウを生かして、複合施設はどうかという案だった。
自慢ではないが、「全国から患者が集まる整体院」「キャンセル待ちが出るほどの英会話教室」を経営する2人だ。
一つの建物にこれらを入れてしまえというものだった。
土地柄、どちらのビジネスも回せる。
しかし、その活用すべき土地にはそれだけのコンテンツでは足らなかったのだ。
何かもう一つメインになるコンテンツはないか・・・?
普通であれば、自分のビジネスに関連したもので考えるだろうが、そこは2人ともマーケッター。
そこにこだわりはない。
「自分たちの売りたいもの」ではなく、「そこのマーケットで売れるもの」でビジネスを考える。
言葉は悪いが、売るもの・提供するサービスは何でもいいのだ。
それから2人は、あらためてそのエリアの市場調査をした。
人口・年齢層・生活水準・レジャー・関心事などなど、あらゆる方面から調査し出た結論が、フィットネス。
鎌倉はもともと地元のスポーツクラブに入り浸るほどであったが、板倉はヨガとピラティスの違いも分からないレベルのド素人だ。
しかし、なぜフィットネスなのか?
他にもいくつか候補はあったが、決め手となったのは・・・、「会費ビジネス」だから。
これに尽きる。
そう、2人がビジネスを考えるうえで最も重要視するのが、ビジネスモデル。
どのようにお金が回るのかということだ。
単価が高くても1回売ったら終わりだったり、月によって売り上げに波があるビジネスは選ばない。
これが大前提なのだ。
これはオープンしてから知ったことだが、世の中のヨガスタジオやスモールスタジオの多くは「回数券」や「チケット制」であるということ。
それらの経営者に「なぜ回数券やチケット制なのか?」という疑問をぶつけると、ほとんど「周りがそうしているから」「業界の慣習」という答えだった。
こういった点に関しては、私たちのように「外部参入組」の方が柔軟に対応できる。
「業界の常識」というものがないからだ。
こうして「整体院」「教育」「フィットネス」これで一つの箱を作ろう!と決まったのが2016年の初め。
整体院と教育に関してはすでにノウハウがあるから問題はない。
フィットネスに関しても、正直、「まぁ大丈夫だろう」とタカをくくっていた。
しかし、すぐに大きな壁に直面することになるとはまだこの時は思ってもいなかった。
<つづく>
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